「もう一度、外を歩く母を見たい」

「施設に入ろうと思っています」

78歳の女性が、そう話してくれました。

きっかけは、外出先で転んでしまったこと。

大きなケガをしたわけではありません。

転んだことよりも、「また転ぶかもしれない」という怖さが残ってしまった。

それから、外に出ることが怖くなりました。

買い物に行く。
友人に会う。
ちょっと散歩する。

以前なら当たり前だったことが、少しずつ減っていきました。

そして、家にいる時間が増えていったのです。

「誰にも迷惑をかけたくないから……」

お母さまは、そう話していました。

「迷惑をかけたくない」という優しさ

娘さんは、その言葉を聞くたびに胸が苦しくなるそうです。

お母さまは、自分が弱くなったことを認めたくないのかもしれません。

娘に心配をかけたくない。

転んで助けてもらうのも嫌。

誰かの手を借りるくらいなら、自分から外に出ないほうがいい。

きっと、そんな気持ちもあるのでしょう。

でも娘さんが本当に心配しているのは、

「母が施設に入ること」

だけではありません。

むしろ、その前にある、

「母が外の世界から少しずつ離れてしまうこと」

でした。

娘さんの願いは、たった一つ

娘さんはこう話してくれました。

「できれば、まだ施設には入ってほしくないんです」

「もう一度、外に出て歩いている母を見たいんです」

「旅行じゃなくてもいい。近所を歩くだけでもいいんです」

その言葉には、お母さまへの想いが詰まっていました。

「もう一度、自分の足で歩いてほしい」

「歩くことを怖がらないでほしい」

「できることを、できるだけ長く続けてほしい」

だからこそ娘さんは、

まずは身体を動かして、筋力をつけて、歩くことへの自信を取り戻してほしい

と願っています。

転んだ後こそ、「動かない」が一番怖い

転倒すると、

「また転んだら怖い」

と思うのは当然です。

だから、外に出なくなる。

歩かなくなる。

できるだけ座っている。

すると、脚を使う機会が減り、筋力やバランス能力も低下しやすくなります。

そして、

「前より歩けなくなった」

「やっぱり外は怖い」

と感じる。

こうして、ますます動けなくなってしまうことがあります。

だからこそ、無理のない範囲で身体を動かし、

「まだ歩ける」

という感覚を取り戻すことが大切です。

「できた!」が、お母さまの自信になる

最初は、立ち上がるだけでもいい。

椅子から立つ。

数歩歩く。

家の中を歩く。

慣れてきたら、玄関まで。

そして、少しだけ外へ。

一つひとつの「できた」が、

「私、まだ歩けるんだ」

という自信につながっていきます。

もちろん、安全を第一に、現在の身体の状態に合わせて進めることが大切です。

施設に入ることがゴールではない

施設に入ることが悪いわけではありません。

安心して生活するために、施設という選択が必要になることもあります。

「転んで怖くなったから、もう外には出ない」

と決めてしまうのは、まだ早いかもしれません。

娘さんが願っているのは、

「いつまでも家で頑張ってほしい」

ということではありません。

「お母さんが、自分の人生をもう一度楽しんでほしい」

ということ。

買い物に行く。

家族と出かける。

近所を散歩する。

そんな何気ない日常を、もう一度取り戻してほしい。

78歳。

まだまだ「できること」はあります。

だからこそ、施設を考える前に一度、

「今の身体を、もう一度動ける身体にしていくことはできないだろうか?」

と考えてみてほしいのです。

「誰にも迷惑をかけたくない」と家に閉じこもるお母さま。

そして、

「もう一度、外を歩く母を見たい」

と願う娘さん。

その想いに寄り添いながら、

「諦める」のではなく、

もう一度、歩く自信を取り戻す。

それが、お母さまのこれからの人生を変える最初の一歩になるのかもしれません。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

千葉県習志野市津田沼のJR津田沼駅徒歩8分、

高齢者専門 個別ジム グラシア パーソナルトレーナー

青木